セキュリティ 仕組み Nextcloud 連携

セキュリティ&仕組み
「添付を安全なリンクに」する理由と対策

添付そのものを送るのではなく、安全なダウンロードリンクに置き換えることで、誤送時の回収やアクセス制御が可能になります。
ZipCloudMilter はメール運用に自然にフィットする形で、回数・期限・パスワード別送・公開停止・履歴を提供します。

データフロー図(送信→保存→配布→失効)

通信 保護/制御 リスク/ブロック 非同期処理
送信者(メールクライアント) 添付を付けて送信 件名: #ZIP / #REPLY 等 ZipCloudMilter 添付を受け取り、本文を 安全なリンクに置換 Nextcloud(保存) 暗号化・権限制御は 環境ポリシーに従う 受信者(リンクからDL) 別送パスワードを入力 回数・期限チェック 回数/LIMIT・期限/EXPIRE・公開停止 初回DL通知・履歴(監査) 誤送信 第三者転送

※ 図は概念図です。実際の構成・ポリシーは環境により異なります。

🔗

添付 → リンク配布の利点

  • 回収が可能: 誤送信でも 公開停止 で即時無効化
  • アクセス制御: #LIMIT(回数)と #EXPIRE(期限)で再配布を抑制
  • 別送パスワード: メール本文と分離し、受信時に入力
  • 軽量化: メールは常に軽く、到達率が安定
  • 履歴: 初回ダウンロード通知・アクセス履歴でトレーサビリティ
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メール運用にフィットする理由

  • 件名コマンド: 送信者の操作は件名に #ZIP 等を付けるだけ
  • 非同期処理: 送信後に安全な形へ自動変換(数秒〜)
  • 相手先別ポリシー: ドメインごとに配布方式を切替可能
  • 返信も安全: #REPLY で返信アップロード用リンクを同時発行

制御ポイントと運用フロー

期限(EXPIRE)

案件クローズに合わせた自動失効。残置リスクを低減。

🔁

回数(LIMIT)

想定外の再配布・多重DLを抑制。0で無制限も可。

🔐

パスワード別送

本文とパスを分離。受信時の入力で本人性を補強。

🛑

公開停止

送信者通知から即停止/削除。誤送信時の初動に。

📬

初回DL通知

相手が開いた瞬間を把握。やり取りの節目を可視化。

📚

履歴/監査

アクセスの検索・把握(範囲は環境設定に依存)。

🛡️

プライバシーの考え方

  • 本文にはファイル実体を残さない(リンク化)
  • 保存先は Nextcloud。保存/暗号/権限制御は組織のポリシーに従う
  • 有効期限切れ後は自動削除(運用ルールによる)
🧭

責任分界(概要)

  • 送信者: 件名コマンド設定、誤送時の公開停止
  • 受信者: リンク/パスの適切な取り扱い
  • 管理者: 既定値・ポリシー設計、Nextcloud 側の保護

かんたん脅威モデル(チェックリスト)

推奨(Do)
  • 取引先ごとに #EXPIRE#LIMIT の既定値を設計
  • 重要案件は #ZIP + パスワード別送 を標準化
  • 初回DL通知で受け取り確認、必要に応じて再送
  • 誤送信時は通知メールの削除リンクから即停止
避けたい(Don't)
  • 本文にパスワードや機微情報を同時記載
  • 無期限・無制限のリンクを恒常的に運用
  • Nextcloud 側のクォータ/権限/ログ設定を放置
ポイント: 「リンク配布」は万能ではありません。
ただし 停止できる記録が残る期限で消える という運用特性により、 “メールで安全に送る”ことを日常運用として実現しやすくなります。

よくある質問

パスワードを別送する理由は?

リンク(本文)とパスワード(別メール)を分離することで、単一メールの漏洩で内容に直アクセスされにくくします。

リンクを転送されたら?

#LIMIT#EXPIRE で二次配布を抑制できます。必要に応じて送信者側で公開停止してください。

容量・大きなファイルは?

実体は Nextcloud に保存され、メールは軽量のままです。上限は Nextcloud 側の設定・クォータに依存します。